初めてVPNを使用する際に知っておくべきこと

現代では、急速なインターネットの普及に伴い、場所を問わず、世界中の人々と会話を楽しんだり、仕事ができるようになりました。私達が暮らす日本でもここ数年間は新型コロナウイルスの拡大により、移動という手段が制限されていましたが、自宅や地方にいても仕事ができるリモートワークというスタイルが急速に浸透しました。通信環境が整いさえすればどこにいても仕事ができるので、仕事以外の余暇を過ごす時間が増えてより生活が充実してきました。その反面、インターネットに依存してしまい過ぎて新たな問題にも直面しています。

人との連絡手段はもとより、自宅の鍵などのセキュリティ関連、そしてオンラインショッピングによる決済など、全てオンライン上でボタン一つで済ませることで生活がより快適になりましたが、それらを狙う新たな犯罪が次々と生まれています。例えば現在、多くの人がSNSで個人のライフスタイルや様々な情報を発信していますが、これらの情報をもとにストーカー行為の被害に遭ったり、登録している情報や投稿内容からパスワードが推測されて盗まれてしまうなど、個人をターゲットにしたサイバー犯罪に巻き込まれる可能性があります。

そういった被害に遭わないためにも現在、VPN(仮想プライベートネットワーク)を使用したセキュリティ対策が世の中に浸透しつつあります。今回、こちらの記事では、VPNの仕組みをはじめ、VPNを使用することでのメリットや注意点等を紹介します。

VPNとは?

VPNは、Virtual Private Network(仮想プライベートネットワーク)の略称で、オンライン上でのセキュリティを強化し、ユーザーのプライバシーを保護するために急速に認識されつつある接続方法です。通常、インターネット上で特定の動画やウェブサイトなどコンテンツにアクセスする場合、互いにトラフィック(通信)を送受信しますが、その間にVPNが保持するサーバー(暗号化されたトンネル)を経由することによって、ユーザーのオンライン上での活動やプライバシーを保護します。そうすることにより、サイバー犯罪社や第三者にユーザーのインターネット上での検索履歴や行動を見られる心配がなくなります、

また、インターネット通信を行なう際に使用されるユーザーのIPアドレスは、ユーザーがリアルタイムで滞在している場所のものが使用されますが、VPNを使用することにより、それを変更することが可能です。ほとんどのVPNサービスを提供するプロバイダーは、複数の国に自前のVPN専用のサーバーを保持しています。このサーバーを経由することでユーザーの実際の居場所のIPアドレスを隠し、外部からはVPNサーバーがある場所のIPアドレスを表示されるので、実際の居場所を特定される心配はありません。

この他にも国や地域によって制限があるウェブサイトなどへのアクセスが可能になります。これによって、特定の地域でしか視聴できないような番組を見ることができるようになるでしょう。

以上のことからVPNを使用することで、オンライン上でユーザーがインターネットを使って、様々な検索や金融取引をしたり、どんな動画を見ようとしても外部から知られることはなくなり、安心して利用できるようになります。

VPNを使用することで得られるメリット

VPNを使用することで、様々な恩恵が受けられます。以下ではユーザーがVPNを使用した際に得られるメリットをいくつか紹介します。

トラフィックを暗号化する

VPNに接続することでインターネット通信を暗号化するので外部から通信内容を見ることができなくなります。特に自宅などでリモートワークで仕事をしている人で会社のネットワーク上にアクセスする必要がある方は、外部に機密情報が漏洩しないためにもVPNの使用は必須といえます。中でもセキュリティ面が脆弱だと言われているカフェなど公共のWi-Fiを使用する際は、必ずVPNを使用するようにしましょう。

実際のIPアドレスを隠すことができる

上記でも述べた通り、インターネットを利用する際にVPNを使用すると、全てのトラフィックがVPNのサーバーを経由することで暗号化されて送信されます。ユーザーの位置情報(IPアドレス)も、本来いる場所ではなく、VPNのサーバーがある国から発信されるため、隠すことができます。外部からはあたかもVPNサーバーがある国に滞在しているように見えます。

制限があるウェブサイトへアクセスが可能

通常、学校や図書館などの公共の施設をはじめ、大手企業や特定の機関では、SNSやアダルトサイトなど特定のウェブサイトへのアクセスを制限しているところが多いですが、VPNに接続することで制限を回避できます。

オンライン上で匿名性を維持できる

ノーログポリシーという規約を採用しているVPNサービスプロバイダーは、オンライン上でのユーザーの検索履歴や行動記録を保存しません。よって、オンライン上で匿名性を維持できるので安心です。

ウイルスやトラッキング機能をブロック

私たちは日常で空港やコンビニ、カフェなど公共のWi-Fiを使用してしまいがちですが、実は非常に危険な可能性があります。こういった公共のWi-Fiはセキュリティ面や脆弱なため、ハッカーたちの恰好のターゲットになる場合が多いです。彼らは、公共のWi-Fiを通じて人々のデバイスに侵入し、トラッキング機能を利用して様々なパスワードを盗んだり、ウイルスに感染させています。Eメールのログイン情報をはじめ、スマートフォン内にある画像やファイル、メールの履歴、SNS情報、クレジットカード情報などを盗まれてしまう前にVPNを使用しましょう。

初めてVPNを選択する特に必要な機能

VPNサービスプロバイダーによっても、全く異なる機能を備えている場合があります。以下では、初めてVPNを利用する前に必要不可欠な機能をまとめました。

暗号化

個人情報が外部に漏洩することなく、安全な通信を実現するために暗号化の規格はとても重要といえます。現在、多くのVPNサービスプロバイダーが採用しているAES256暗号化は、最先端の高いセキュリティを誇る暗号化です。軍用レベルでも使用されており、解読することはまず不可能でしょう。なので、まずVPNを選ぶ際の基準として、AES256暗号化が採用されているかどうかを確認するようにしましょう。

速度

VPNに接続中、速度が遅くては動画も視聴できなく、ネットサーフィンもできなく、使用している意味は半減してしまいます。なので、VPNサービスプロバイダーと契約する前にまずは無料のお試し期間を利用し、十分な速度が出るかどうかを確認しましょう。

サーバーの数と場所

一般的にサーバーの数が多いと、ユーザーのアクセスが分散されてそれぞれのサーバーへの負荷が少なくなるので速度が速いと言われています。また、物理的な距離とインターネット接続の品質には相関関係があるので、お住まいの場所の近くにサーバーがあるかどうかも重要です。

ノーログポリシー

信頼性が高いVPNサービスプロバイダーは、オンライン上でのユーザーの行動を監視したり、履歴を保存しないという規約である「ノーログポリシー」を採用しています。事前にこの規約があるかどうかを確認するようにしましょう、

カスタマーサポート

VPN業界でもトップレベルのVPNサービスプロバイダーは、24時間365日対応可能なカスタマーサービスがあります。何か問題が起こった際にはチャットや電話、メールなどで対応しますが、対応内容や早さはプロバイダーによりけりなので、お試し期間を利用してチェックおくとよいでしょう。

VPNを選ぶ際の注意点

現在、世の中にはVPNサービスを提供しているプロバイダーが非常に多く、最適なVPNを選ぶ際にはいくつか注意が必要です。まず、VPNには有料版と無料版がありますが、無料版を使用する際は注意が必要です。使用料金は無料ですが、その分、セキュリティ面が脆弱で個人情報が漏洩したりするなど、多くの危険が伴います。また、ユーザーの情報をマーケティング会社に販売されてしまう可能性も十分にあります。なので安さに惑わされて、無料版を使用することはおすすめしません。どうしても無料でVPNを使用したい場合は、有料版プランの返金保証期間を利用することで、様々な機能を試してみることができ、不安なく様々なコンテンツを楽しめるでしょう。

また、初めてVPNを使用する方にとって、使い方が簡単であるかどうかはとても重要です。スマホやパソコンのアプリの画面もよりシンプルなほうが使いやすいはずです。契約する前に様々な機能が使いやすいかどうかを確認するために返金保証期間を利用することをおすすめします。

VPNは合法?

多くの人が気になるのは、やはりVPNの使用が合法かどうかでしょう。現在、世界中のほとんどの国では、VPNを利用することは合法です。しかしながら、中国、トルコ、イラク、ロシア、ベラルーシ、ウガンダ、オマーン、UAE、北朝鮮、トルクメニスタン北朝鮮など一部の国では、VPNの使用を禁止したり、違法となる国も少なからず存在します。VPNの使用目的によって利用が制限されている国もあります。VPNを利用することで犯罪行為を行なうなど、その国の法律に違反した場合は違法となります。また、ギャンブルやアダルトコンテンツなどに対する法律が厳しい国の場合は、VPNを利用してアクセスした場合は違法となります。なので海外へ渡航する際はその国の法律を事前に確認するようにしましょう。

まとめ

近年のスマートフォンの普及により、世界中のどこからでも誰でも簡単にインターネットを楽しめるようになりました。その反面、オンライン上での個人情報の漏洩など新たな犯罪が登場したのも事実です。たとえ自宅など安全な場所にいたとしてもインターネットが繋がっている限りは、犯罪に巻き込まれる可能性があります。

そんな現代において誰もが抱える問題の対応策として、VPNの存在が高まりつつあります。今回紹介したように、VPNはオンライン上でのセキュリティ対策として機能し、ユーザーの匿名性を維持するので私達にとって非常に強い味方といえます。VPNを使用し、オンライン上での安全性を確保しながらインターネットを楽しみましょう。