日本におけるサイバーセキュリティとデータ保護について知っておくべきこと

インターネットは、日本だけでなく世界中の生活をより快適なものにしました。日本は世界的な技術革新とその普及の最先端にいます。しかし一方で、インターネットは私たちを新しい大きな脅威にさらしていることも事実です。

私達のデータの多くがオンライン上に存在するようになりました。そのため、堅固なセキュリティがなければ、悪意のある第三者がその情報にアクセスし、危険にさらす可能性があります。さらにデバイスやソフトに関しては、度々データやインターネットの侵害の影響を受けています。したがって、日本の全てのインターネットユーザーは、自分達のサイバーセキュリティの状況をしっかりと考えていかなければなりません。

セキュリティ面に関しては、現状の危険性についてどれだけ把握しているかによって大きく変わってきます。しかし、オンライン上の安全対策のための情報を備えておく必要があります。こちらの記事では、このテーマについて知っておくべきことを紹介していきます。

日本におけるサイバーセキュリティとデータ漏洩の脅威はどれほど深刻なのか?

日本のインターネット利用者は、日本国内で閲覧する際にサイバーセキュリティの重大な脅威に直面しています。例えば、エコノミスト誌では、日本は他の先進国と比べてサイバーセキュリティの面で非常に遅れていると述べています。さらにエコノミスト誌は、2020年に日本では1400万人もの人がまだWindows7を使用していることを明らかにしました。

このような時代遅れのソフトウェアへの依存は、データ侵害の主要な原因の1つといえます。実際、この報告書では大手企業がサイバー攻撃を受けたことを報告していたことが示されています。その中には、以下のようなものが含まれます。

  • 三菱電機および
  • ホンダ

さらに2019年には、日本のユニクロが重大なデータ侵害を報告しました。ハッカーが46万人の顧客情報にアクセスしたというのです。

残念ながら、教育関連企業もハッキングの対象になっています。例えば、ベネッセは、データ侵害で2900万人分の顧客情報が盗まれました。

このケースでは、ベネッセの従業員がこのデータの転送に関与していました。さらにベネッセの子会社がデータの安全性が確保されていないことを知っていたことが調査によって判明しました。これらの問題から、ハッキングされた側が一連の攻撃の原因になっていたことが明らかになりました。

日本におけるデータ漏洩の原因は?

データ漏洩は、基本的にアクセス権限のない何者かがデータにアクセスし、利用してしまうことで発生します。それゆえに、人間の行動自体が焦点となります。サイバーセキュリティの脅威は、もちろんハッカーに責任がありますが、被害者の行動もこうしたサイバーセキュリティの攻撃に繋がります。

例えば、政府の統計によると、日本企業のわずか55%しかサイバーセキュリティの危険性を把握していません。他の先進国では、この割合はもっと高いです。

したがって、多くの企業がサイバーセキュリティ対策を行っておらず、何も対策をしていない企業は、情報漏洩の被害に遭う可能性が高くなります。

日本の個人情報保護法(APPI)

このようなサイバーセキュリティ面での失敗を踏まえて、政府はすぐに個人情報保護法(APPI)を強化するなど行動を起こしました。APPIは日本における主要なデータ保護法です。

もし、データ保護を強化したい場合は、この法律をよく理解する必要があります。この法律は、個人情報の尊重と適切な取り扱いを大幅に強化し、実施するものです。加えて、APPIの優れた特徴のひとつに、見直し条項というものがあります。

日本の立法府は、継続的な技術開発を踏まえた上で、3年ごとにAPPIを見直し、更新することになっています。

APPIに基づく保護対象

主にAPPIは企業に適用されます。これは、企業が個人情報をどのように扱うかを示すものです。

APPIとは

  • 事業者による個人情報の無断公開を防止する
  • 個人情報の削除権限を拡大する。従業員は、もし自社がデータ流出や漏洩に遭った場合、この権利を行使することができる。加えて、個人情報の取り扱いが会社に損害を与える場合にも適用される
  • 企業は特定の基準値に従って、データ侵害の報告をする必要がある
  • 雇用主はデータを海外に送信する場合、本人の同意を得なければならない。ただし、第三者への送信する場合にも必要です
  • 個人情報取扱事業者に対し、住所を公開することを義務付ける

最後に注目すべきこととして、これらの規定に違反した場合は厳しい処罰が下されます。損害を被る者は、以下のような事態に陥る可能性があります。

  • 1億円以下の罰金
  • 1年以下の懲役
  • 非協力的な事業者の氏名の公表

サイバーセキュリティを向上させ、データ漏洩を防止する方法

サイバーセキュリティの侵害は人為的なものなので、防ぐことができます。これは、日本におけるサイバーセキュリティの普及が目的であって、何もあなたを怖がらせてインターネットから遠ざけようとしているわけではありません。

むしろ、デバイスとインターネット回線を守るための対策を実行できるようにするためです。以下で紹介するヒントを参考に、より良いサイバーセキュリティを目指しましょう。

強力なパスワードを使用する

パスワードは、ほとんどのデータ記憶装置への入り口といえ、デバイスやSNSのアカウントにはパスワードが必要です。さらに企業では、社内のガジェットやオンラインアカウントにパスワードを設定しますが、第三者にパスワードを推測されてしまうと情報漏洩が発生する可能性があります。

そのため、ほとんどのプラットフォームでは、強力なパスワードが必要になります。より安全なパスワードにするためのルールは以下の通りです。

  • 複数のアカウントでパスワードを共有しない。もし、その中の1つのアカウントがハッキングされた場合、他のアカウントも危険にさらされます
  • 誕生日のような単純なパスワードは使用しない。ハッカー達はまずはじめにこのような例からパスワードを推測します
  • パスワードは、検索可能なプラットフォームには書き留めない
  • パスワードを誰とも共有しない

アプリやデバイスのソフトウェアを最新版に保つ

アプリやデバイスは、頻繁にソフトウェアをアップデートします。その際、通常はユーザーに対して通知されますが、残念ながら、多くの人がアップデートしていません。アプリメーカーは、自社のソフトウェアにバグやセキュリティ上の問題がないかを頻繁に確認しており、もし何か不具合が起きた場合は次回のアップデートでこれらの問題を修正しています。

その結果、新しいアップデートはより安全なものになります。逆に古いバージョンは安全性が低く、使用するとオンライン上の重大な脅威にさらされる可能性があるので、アプリの管理者がアプリのサービス自体を停止してしまうこともあります。

加えて、そのような弱点の一部は、既に明るみに出ている可能性があり、サイバー犯罪者はユーザーをいかにうまくハッキングするかを知っています。したがって、最善策として、全てのアプリの最新バージョンを常に使用することをおすすめします。

VPNを利用する

多くの人が地域制限を回避するためにVPN(仮想プライベートネットワーク)を使用しています。しかしながら、VPNは日本国内でNetflixのブロックを解除する以上のことができます。例えば、優れたVPNは、ユーザーのインターネット回線を暗号化します。また、ハッカー達から身を守るために安全な回線を経由して転送します。

これにより、ハッカーやデータを盗もうとする人がデータにアクセスすることはできなくなります。さらにインターネットサービスプロバイダーは、個人の閲覧データを収集し、第三者に販売することが可能です。これらの購入者は、このデータをもとにあなたに狙いを定め、様々な広告を表示させてくるでしょう。

もし、運が悪かった場合、犯罪グループがあなたのデータを手に入れ、データ漏洩の標的にする可能性があります。しかし、VPNに接続することで、あなたのインターネットでの履歴は保存されないため、データが漏れたり、販売されたり、盗まれたりすることはないでしょう。

信頼性の高いウイルス対策ソフトを使用する

サイバーセキュリティにおける脅威のいくつかは、コンピューターウイルスの攻撃によるものです。そのため、使用するデバイスにウイルス対策ソフトをインストールすることは不可欠です。統計によれば、日本企業のインターネットセキュリティ対策のなかでも、ウィルス対策は最先端であることが分かっています。しかし、どんなソフトでも良いというわけではなく、信頼できるウィルス対策ソフトを選ぶようにしましょう。

特にマルウェアのような高度なウイルスも存在するため、ウイルス対策ソフトはマルウェア対策ができるものでなければなりません。最後に有料版を使用するのが最適といえます。無料版は通常、広告やその他の機能が含まれているので、お使いのデバイスが危険にさらされる可能性があります。

ガジェットへのアクセス制限をする 

アクセス制限は、サイバーセキュリティを向上させるために確実な方法です。サイバー攻撃は、複数の人が特定のデバイスやSNS、Eメールのアカウントにアクセスできるようにすると発生する可能性が高まります。ここで注目すべき点は、データ流出は外部からだけではないということです。

むしろ、データを盗もうとする人がネットワークにアクセス可能になり、個人情報を盗み出すことができるのです。そのため、ガジェットを扱う人を限定した方がいいでしょう。企業の場合、全ての従業員が機密データにアクセスできるようにするべきではなく、ごく少数の審査された人だけがアクセスできるようにする必要があります。

アプリのアクセス権を確認する 

スマホアプリは通常、デバイス上にあるファイルにアクセスする許可をリクエストしてきます。例えば、ソーシャルメディアアプリに関しては、以下のファイルへのアクセスを要求します。

  • 連絡先リスト
  • カメラ
  • カレンダー
  • マイク
  • 位置情報など

いくつかのアプリは、これらのアクセス権がないと正常に機能しません。しかし、中には要求する全てのアクセスを必要としないものも存在します。そのようなアプリにアクセスを許可することは、そのアプリがデータを収集、分析、使用できることを意味します。

したがって、安全なアプリのみアクセスを許可するようにする必要があります。悪意のあるアプリやブラウザの拡張機能は、重大なデータ漏洩につながる可能性があります。したがって、すべてのアクセス権要求を吟味するようにしましょう。

公共のWi-Fiネットワークを避ける

公共のWi-Fiネットワークは、高速で無料な場合が多いので一見、魅力的にみえるかもしれません。しかし、残念ながらこのようなネットワークでは、インターネット通信が暗号化されません。サイバー犯罪者達はこのような類のネットワークを狙い、Wi-Fi利用者をハッキングしようとします。そのため、公共のWi-Fiの使用は避けた方が無難でしょう。

もし、どうしても利用しなければならない場合は、ネットワーク上で機密データを共有しないようにしましょう。オンライン上では、以下のような重要な情報が流出する可能性があります。

  • ログイン情報
  • パスワード
  • 個人的なEメール
  • クレジットカード情報
  • 医療記録
  • 位置情報

公共のWi-Fiを使用しての金融取引などを行なうことは避けましょう。もし、使用する必要がある場合は、VPNへ接続してから使用するのが最適といえます。

まとめ

日本にいると、データ侵害の大きな危険に直面することになります。しかし、これは決して避けられないものではなく、ガジェットとインターネット接続を保護するための対策を実施することで解決できます。オンライン上の安全性を高めるために必要な情報は、上記で全て紹介しました。今回、説明したヒントを参考に行動してみましょう。