有料版VPNを無料で使用する方法と注意点

VPNは、場所を特定されずにインターネット上であらゆるものを見るための手助けとなります。特定の企業にとってVPNは必要不可欠であり、もしもVPNが使用できなくなってしまった場合、会社は運営できません。プライバシーに敏感な人や、インターネット制限のある国に住んでいる人などにとってVPNは日常生活にも欠かせないものでしょう。

しかしながら、その必要性を感じているものの、どうしても費用がかかってしまうので有料版VPNサービスを購入するまでには至らない場合もあります。そんな人向けに無料でVPNを使用するためには以下の2つの方法があります。

  • 返金保証のある有料版VPNを探す
  • 無料プランがある有料版VPNを探す

これら2つの方法にはそれぞれ長所と短所があり、これから順次説明していきます。また、いくつかの基準に見合うVPNの例も紹介します。

返金保証のある有料版VPNについて

私たちは、VPNのあらゆる機能にアクセスすることができるようになることから、返金保証のある有料版VPNを強くおすすめしています。

返金保証のある有料版VPNは、料金を支払った後でも規定の期間内であれば、返金可能です。これは、ユーザーが費用面で心配することなく、サービスを試して自分にとって適切なサービスであるかどうかを見極めるためです。もしも、サービスが不要と思った場合でも、料金は返金されるので安心です。

上記のような有料版VPNを無料で使用する方法は、短期間であれば有料版VPNの全てのサービスを利用できる事からもわかる通り、とても賢い方法といえます。もし、検閲のある国で調べ物をする際にほんのちょっとだけVPNが必要な場合、このプランはとても有効でしょう。

ただ、VPNの中には、返金はするが返金額が支払った分の全額ではないものも存在します。こういったVPNは、ユーザーが支払った金額の何割かを返金するだけで、残りはユーザーが使用したサービスの補償として取られることがあります。一部のVPNは、これと同じ方法で使用する人が多い場合、そのコストを補うために料金を徴収しています。このように、VPNを利用する際は、まず返金関連の規約をよく読んで、返金に対応しているかどうかを確認するようにしましょう。

優れたサービスの提供と全額返金を保証しているVPNを探すには相当な時間と労力がかかることが予想されます。しかし今回、優れたサービスと返金を提供し、返金要求すると早急に返金される3つのVPNを探し出しました。また、ユーザーのニーズに合わせたVPNの特徴や利用可能なプラン、価格を紹介します。

ExpressVPN

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主な特徴

  • ストリーミングサイトへの無制限のアクセス
  • 最大5つの同時接続をサポート
  • ミリタリーグレードの256ビット暗号化
  • ログなしポリシー

ExpressVPNは、私たちのイチオシのVPNです。今回テストしたVPNの中でも最も安定しており、30日間の返金保証が付帯されています。世界94ヶ国に3000台以上のサーバーを保持しており、ユーザーは多くのサーバーの中から自分に合う最適なものを選ぶことができます。VPN接続が途切れた際でも、デバイスのネットワークを自動的に切断するキルスイッチ機能があるので、公共のWi-Fiでネット閲覧している間でも、データがコピーされたり盗まれたりする心配はありません。

ExpressVPNはまた、高いセキュリティを確保し、ユーザーのクエリ(問い合わせや検索する際のキーワード)やコマンド(指示や依頼)が邪魔されずに目的地に到達するために、全てのサーバーにプライベートDNSを搭載しています。また、スプリットトンネリング機能により、どの通信(トラフィック)がサーバーを通過して、どれが標準的なISPを通過するかを選択できるようになります。

ExpressVPNは、暗号化技術で最高クラスの256ビットAESを使用しています。他のプロトコルも利用可能で、プロトコルとして定番のOpenVPNも使用しています。これは通信(トラフィック)を暗号化するだけでなく、DNSリクエストも暗号化します。さらにこのプロバイダーが最近導入したTrusted Server技術により、ユーザーのインターネット通信はより安全になりました。Trusted Server技術によってユーザーの情報はハードドライブではなく、RAM(Random Access Memory)上にのみ書き込まれます。これはつまり、ネット閲覧を終了するときに、全てのデータが自動的に消去されることを意味します。

ExpressVPNは、制限されたコンテンツのブロックを解除する真のプロフェッショナルといえます。また、その素晴らしい速度からもわかる通り、コンテンツの視聴も簡単で、番組がバッファリングされたり、遅延が発生したりすることはありません。また、Android、macOS、Windows、iOS、Linux、ルーター、スマートテレビに対応しており、FirefoxとChromeのブラウザ拡張機能もしっかり搭載しています。

このプロバイダーには、どんな問題でも解決するために多くの手順書があり、ライブチャットと電子メールによるサポートが24時間365日利用できるのも大きな利点といえるでしょう。そして、ユーザーのインターネット活動における履歴を保管しないことも安心です。そして、ExpressVPNは英領ヴァージン諸島に拠点を置いており、これはどの国に対しても履歴を保管する義務がないことを意味します。もし、返金要求を行なった際は1-2営業日以内に返金されます。

ExpressVPNは、有料版VPNサービスなので、料金は他のVPNよりもやや高めです。最も安いのは12ヶ月プランの99.95ドル(月額8.32ドル)です。次いで6ヶ月プランは59.95ドル(月額9.99ドル)、そして月額プランは12.95ドルとなっています。

NordVPN

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主な特徴

  • 高速接続速度
  • 30日間の返金保証
  • プレミアム暗号化機能
  • 自動キルスイッチ

NordVPNは以前、3日間の無料お試し期間を運用していましたが、それを悪用する人がいたせいでこのサービスを停止した過去があり、これはほんの数人が悪用するだけで問題を引き起こしてしまうことを示した例といえます。その後、NordVPNは改善を重ね、30日間の返金保証を導入し、それによって無料で有料版VPNを使用できるようになりました。

セキュリティ面を重視する人々にとってこのVPNは、とても適しているといえます。それはユーザーのプライバシーを厳しく守るためにいくつか優れた機能を兼ね備えているなど、安全性に重点を置いているからです。ダブルVPNは、ユーザーのデータを2つの異なるNordVPNサーバーを経由することで2回暗号化する機能です。Onion Over VPNは、Torネットワークを介してユーザーのデータを取得することで、何重もの暗号化で包まれるのでデータ漏洩する心配はなくなります。

その他にも軍用レベルの暗号化やDNS漏洩防止、自動キルスイッチなどのセキュリティ機能を備えています。インターネットの世界ではあまりにも危険が多いので、特にキルスイッチに関して、ユーザーがオフにできないようになっています。また、CyberSecは広告だけでなく、マルウェアやフィッシングサイトからもユーザーを保護してくれます。

NordVPNは、世界59ヶ国に約5300台以上のサーバーを保持しており、その数は拡大し続けています。その中には、インターネット検閲の多い国のユーザー向けに設計された、特殊な難読化されたサーバーもあります。これらの難読化されたサーバーは、インターネットサービスプロバイダー(ISP)や政府の監視の目から保護してくれるでしょう。また、SmartPlayによってネット閲覧する際に直面するウェブサイトやコンテンツのブロックを自動的に解除します。NordVPNはまた、速度面でも優れており、HDでコンテンツを視聴できるほど高速です。最大6台ものデバイスに同時接続可能なので、どこにいても安心してネット閲覧、動画視聴、トレントを行なうことができます。

また、第三者機関の監査で、4大監査機関の1つであるPricewaterhouseCooper AGによると、インターネット上での閲覧履歴を残さない厳格なポリシーを導入していることが確認されています。そして、同社はプライバシーに配慮したパナマに拠点を置いており、これはユーザーのデータが履歴に残らないことを意味しているので安心です。

NordVPNのカスタマーサービスをテストしましたが、ユーザーはメールやライブチャットでの連絡が可能で、スタッフの対応も良く、とても優れているといえるでしょう。また、返金保証期間内に返金を求めるとすぐに対応してくれます。

価格面に関しては、かなり一般的なものといえます。1ヶ月プランの場合は月額11.95ドルです。1年プランは年間83.88ドル(月額6.99ドル)、2年プランは119.76ドル(月4.99ドル)でそれぞれ1年、2年ごとに支払いが発生します。また、3年プランはさらに安く125.64ドル(3.49ドル)となり、現状これが最も経済的なプランです。また、新規ユーザーとして登録し、支払いを済ませると、NordVPNのあらゆるサービスが利用できるようになり、30日以内であれば全額返金可能です。

Surfshark

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主な特徴

  • 手頃な価格設定
  • 無制限のデバイス接続
  • 厳格なノーログポリシー
  • 自動キルスイッチ

Surfsharkは、まだ新しい部類のVPNですが、ユーザーのセキュリティやプライバシーを守るために日々奮闘しています。この有料版VPNを無料で使用できてしまうのは一見、不公平と思えるほど非常に多くの機能を備えています。

Surfsharkに加入することで、IPアドレスを隠せるだけでなく、自動キルスイッチ、DNS漏洩保護などが使用できるだけではなく、広告とマルウェアをブロックするCleanWebや、VPNを二重にするMultiHopにもアクセスできるようになります。また、Whitelisterは、ユーザーが特定のサーバーを介して送信したい通信(トラフィック)と、ユーザーが通常のISPを介して伝達したいものを選ぶことが可能なSurfshark独自の分割トンネリング機能です。ユーザーがカモフラージュモードを使用すると、インターネットサービスプロバイダー(ISP)でもVPNを使用していることがわからなくなり、これは究極のプライバシー保護といえるでしょう。

また、Surfsharkは、AES256GCM暗号化でデータを暗号化し、セキュリティプロトコルとしてはIKEv2/IPsec、もしくはOpenVPNのいずれかを使用することができます。制限のある国で有料版VPNを無料で使用したい場合は、No Bordersモードを使用することで自由に閲覧可能になります。これには、地域的な制限のあるコンテンツのブロックを解除することも含まれます。また、世界61ヶ国以上に1041台以上のサーバーを保持しているので、4K配信の動画をどこでも視聴できるほど高速です。また、1つのアカウントで、接続可能なデバイスの数は無制限なのも大きなメリットです。

そして、カスタマーサポートは、ライブチャットと電子メールで24時間365日オンライン対応してくれるので安心です。契約後30日以内であれば、返金を求めることもできます。このような内容からもわかる通り、無料で有料版VPNを使用することは可能です。

Surfsharkは、これら素晴らしいサービスを提供しているのにも関わらず、契約期間が27ヶ月プランの月額費用はたったの1.77ドル(合計47.79ドル一括払い)と非常に低価格です。また、1年プランは71.88ドル(月額5.99ドルで)で、1ヶ月プランは11.95ドルとなっています。

ProtonVPN

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主な特徴

  • 市場で最も優れた無料VPN
  • 使いやすいAndroidアプリ
  • 優れたセキュリティ機能

ProtonVPNは、新規ユーザーに対して、期間限定で有料版VPNの機能を無料で利用できるサービスを提供しています。新規ユーザーは、ProtonVPNのPlusサービスを7日間無料で利用可能です。登録するにはクレジットカード情報も必要なく、EメールだけでOKで、44ヶ国にある570台以上のサーバーと、スイス、アイスランド、スウェーデンにある強固なデータセンターの安全性の高い主要なサーバーを7日間利用することができるようになります。また、TorサーバーやP2Pサーバーへのアクセスも可能です。そして、Perfect Forward Secrecyもあるので、新たに接続する毎にデータの新しい暗号化キーが与えられます。

しかし、7日間の無料お試し期間が終了すると、安全性の高い主要なサーバー、P2Pサーバー、Torサーバーが使用できなくなります。また、無料版のユーザーは日本、オランダ、アメリカの3ヶ国のサーバーにしかアクセスできなく、一度に接続できるデバイスも1台のみで、速度調整はありません。加えて、多くの人がこの無料版を使用しているため、サーバーが詰まってしまい、通信が遅延する可能性があります。

もし、無料版ProtonVPNサーバーがある国に住んでいて、速度がそこそこでも気にしないのであれば、これは正しい選択といえるでしょう。

Trust.Zone

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主な特徴

  • 軍事グレードの暗号化
  • ビットコイン対応
  • モバイルデバイス向けのアプリ

Trust.Zoneは、3日間の無料お試し期間があり、その間は有料版VPNの各機能を無料で利用できます。しかし、帯域幅は1GBしか割り当てられないので、ちょっとした作業には便利といえますが、動画の視聴等は難しいでしょう。帯域幅は狭いですが、地域的制限のあるコンテンツ(特にアメリカ)のブロックをかなりうまく解除してくれます。Trust.Zoneは、89ヶ所に158台のサーバーを保持しており、私達が行なったテストで速度は非常に良いものでした。

このプロバイダーは、キルスイッチがとても良い具合に機能するので、インターネット通信を十分に保護します。DNS漏洩防止機能やWebRTC防止機能に関しても、ユーザーのクエリの安全性とセキュリティを確保し、トレントもサポートしています。

Windscribe

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主な特徴

  • ブラウザ・エクステンション? 有り
  • 全てのウェブサイトをアンブロックするか? はい
  • 場所:60カ国にサーバーを持つ

Windscribeの無料プランでは、データ使用料を毎月10GBも提供しています。加えて、無料のVPNサービスの中ではかなり高速で、接続も無制限なので1つのアカウントで好きなだけ多くのデバイスが接続可能です。ただし、コンテンツのブロック解除に関しては、この無料プランではほぼ不可能といえます。

Windscribeは、ユーザーのオンライン上のセキュリティを保護するための基本的なものをカバーしています。DNSとWebRTCの漏洩防止機能はユーザーのクエリを保護し、キルスイッチはVPN接続が切れた場合にデータを保護します。

また、お得な情報としては、Windscribeに関するツイートをすると、無料で5GBのデータが半永久的にユーザーの帯域幅に追加されるのはとても大きいです。

このVPNプロバイダーの有料プランを無料で使用できますが、返金保証期間はわずか3日間のみなので注意しましょう。これは他社と比べてもかなり短い部類ですが、短期間でVPNが必要な場合等に最適といえます。

これらの方法は、無料版VPNもしくは有料版VPNを無料で確実に利用できる唯一の方法といえるでしょう。無料でVPNが使用可能なクーポンやお得な情報を見つけ出すのは大変です。有料版VPNを割引料金で利用可能なクーポンを見かけることはありますが、有料版VPNを無料で使用できるクーポンを見つけるのはとても難しいでしょう。

まとめ

無料版VPNと有料版VPNを使用する上での長所と短所には大きなギャップがあるため、私たちは読者に有料版VPNを無料で使用するようアドバイスしています。あるいは、可能であれば、安価なプランがある有料版VPNを使うほうが良いでしょう。VPNの中には、2年契約でわずか40~50ドルや、なかには月額2~5ドルという低価格なものもあります。ネットサーフィンや動画視聴など、オンライン上で何かしら行動する場合は常に危険と隣り合わせです。一歩間違えると人生を左右してしまいかねないオンライン上のプライバシーとセキュリティを保護するためには、VPNを使用することで多少の支払いが発生したとしてもそれは十分、必要経費といえるでしょう。