SSLやTLSなどの暗号プロトコルの使用方法

オンラインセキュリティを決して侮ったりしてはいけません。インターネット上にはあらゆるサイバー脅威が存在するので、常に信頼性の高い保護を備えておくことをおすすめします。なかでも暗号化は、最良の方法のひとつといえるでしょう。デバイスとサーバー間の通信を暗号化することで、有益な情報を傍受しようとする第三者からデータを守ります。

近年、最も信頼性が高く、よく使われている暗号化プロトコルの1つがSSL/TLSです。この新旧のテクノロジーの強力な組み合わせにより、インターネットやコンピューターネットワーク上で送信されるデータを誰も盗むことはできません。また、サイバー犯罪者やインターネットサービスプロバイダー(ISP)がユーザーのデータ交換用に改ざんすることを防ぎます。

SSL/TLSは、あらゆる安全なウェブサイトはじめ、その他のインターネットサービスでも使用されていますが、一般ユーザーはそれが一体何なのか、どのように機能するかはほとんど、もしくは全く知らないでしょう。今回は、SSL(Secure Sockets Layer)とTLS(Transport Layer Security)とは何か、また、どのように機能するのかを説明していきます。

SSLとは?

SSL(Secure Sockets Layer)は、1990年代半ばにNetspace社によって開発された暗号化プロトコルです。インターネット上のあらゆる通信を暗号化し、安全性を確保するために作られました。同社がSSL 1.0を設計した当初、一般公開されませんでした。しかし、SSL 2.0がリリースされた際、ユーザーを深刻な危険にさらす可能性のある欠点がいくつかあることがわかりました。その後、1996年にNetspace社がSSL 3.0をリリースする頃には、前述のモデルからの教訓を生かして構築され、より高い安全性が約束されました。

しかしながら、1999年にプロトコルの最新版がリリースされた際、これはインターネットエンジニアリングタスクフォース(IETF)によって標準化され、TLS(Transport Layer Security)として知られるようになりました。仕様と名称を変更しながらも、一般的にはSSLと呼ばれています。

SSL/TLSは主に、クライアントとサーバー間の通信、Eメール、VoIP、その他の安全でないインターネット上での通信の安全を確保するために使用されます。そして、パスワードや決済情報のような重要なデータを保護するため、一般的にほとんどのウェブサイトに導入されています。

SSL/TLS暗号化の仕組みについて

SSL/TLSはデータ通信の機密性と安全を提供するために、非対称および対称の暗号化を使用しています。非対称型の暗号化は、クライアントとサーバーの間に安全な接続を構築するためで、対称型の暗号化はセキュリテイ保護されたセッション中のデータ交換用です。

SSL/TLS暗号化を導入するためには、ウェブサイトがそのウェブサーバーもしくはドメインにSSL/TLS証明書を保持しなければなりません。証明書のインストール完了後、以下の手順でクライアントとサーバーが暗号化の取り決めをすることが可能になります。

  • 1.クライアントは、セキュリテイで保護されたURLを使用してサーバーに接続しようとします。安全なウェブサイトかどうかを見分けるには、ブラウザのアドレスバーに南京錠のマークが表示されているかどうかを確認しましょう。
  • 2.次にサーバーはクライアントに最新版の証明書と公開キーを送信します。
  • 3.クライアントは、信頼されたルート証明機関(Trusted Root Certification Authority)で証明書が正当かどうかを確認します。
  • 4.証明書の確認完了後、クライアントとサーバーは、お互いのサポート可能な最も安全なタイプの暗号化を取り決めます。
  • 5.次にクライアントは、サーバーの公開キーを使用してシークレットセッションキーを暗号化し、サーバーに送り返します。
  • 6.サーバー上では、クライアントの通信がシークレットキーによって暗号化され、セッションが構築されます。
  • 7.クライアントとサーバー間のデータ通信の暗号化・復号化には、対称暗号(セッションキー)が使用されます。

現在、クライアントとサーバーの両方がHTTPS(SSL/TLS + HTTP)を使用して通信しています。HTTPSは443番ポートで機能します。ウェブサイトから離れた瞬間、セッション向けに生成されたキーは破棄されます。ハンドシェイクと呼ばれるコンピューターが外部との通信する際の新しい基準を確立する手段が新たなに取り決められ、ユーザーがウェブサイトにアクセスするたびに新しいキーが生成されます。

SSL証明書とは?

SSL証明書とは、ウェブサイトのサーバー上にインストールされたファイルのことです。基本的にデータファイルで、ウェブサイトの公開キーやサイト所有者の身元など、ウェブサイトに関する詳細情報が含まれています。もし、SSL証明書がない場合、そのウェブサイトはTLSによって通信を暗号化することができません。

どんなウェブサイトでも、独自のSSL証明書を作成可能で、これらは自己署名証明書として知られています。しかしながら、ほとんどのブラウザが自己署名証明書を、認証局から取得するSSL証明書ほど信頼していないのが唯一の欠点といえます。

ウェブサイト所有者が認証局からSSL証明書を取得する場合、ウェブサーバーにインストールする必要があります。認証局とは、ウェブサイトの所有者が本人であるかどうかを確認する第三者機関です。

なぜSSL/TLS暗号化はセキュリティ上、重要なのか?

SSL/TLS暗号化は、データ通信の際のプライバシーと完全性を高め、データ通信の安全性を確保するのに優れています。しかしながら最近、悪意のあるペイロードを暗号化できるなどサイバー犯罪者の手口がより巧妙になり、何も知らない人々が犠牲になっています。そのため、IDS/IPSや次世代ファイアウォール、Secure Web Gateway(SWG)などのような検査ツールでは、検査の一環としてデータを復号化するSSL/TLS復号化が重要となっています。

HTTPとHTTPSの違いとは?

HTTPとHTTPSの違いを簡単に説明します。S は secure(安全性)を意味するので、HTTPSは基本的にHTTPにSSL/TLSを搭載したものを指します。HTTPSアドレスを持つウェブサイトは、認証局が発行した本物のSSL証明書を保持しており、通信がSSL/TLSプロトコルによって保護され、暗号化されています。

先ほども説明した通り、ほとんどのウェブブラウザは、HTTPアドレスのウェブサイトを「危険」または「安全でない」とみなすでしょう。これは、あらゆるインターネットプラットフォームがSSL/TLSを使用して、より高いセキュリティを確保するためといえます。よってSSL/TLS暗号化は、オンライン上のセキュリティ向上のために必要だけでなく、クライアントやウェブサイトの所有者の信頼の証となっているのです。

まとめ

インターネット上でユーザーのデータを保護するためには、多くのことが必要になります。そしてこれには常時、暗号化プロトコルのようなツールも含まれます。これらのプロトコルは、クライアントとサーバーが異なるレベルの暗号化を提供するための一連の指示のようなもので、これらの暗号化プロトコルの1つがSSL/TLS暗号化です。オンライン上では、個人のプライバシーが最も大事であるということを留意しておきましょう。オンライン上でプライバシーを保護する最良の方法の1つは、最高品質のVPNを使用することです。私達が紹介しているレビューページ を参考にすると、おすすめのVPNが見つかります。中でも最も高評価のVPNの1つがExpressVPNなので、VPNの使用を検討している方は一度試してみると良いでしょう。